POSを意識して書くことが大切

看護記録は、看護師がどのような思考に基づいて、ケアを行ったか記録するものです。その患者に関わるほかの看護師や医師などの医療従事者と、正しい情報を共有するうえで重要な役割を果たします。もし医療訴訟などになった場合には証拠として扱われるため、必要な情報を正確に記録することが大切です。看護記録は日々の業務として欠かせないものですが、看護記録の記載が苦手で作成に時間がかかる看護師も珍しくありません。看護記録の内容は、患者の基礎情報や看護問題リストとそれに基づく看護計画、経過記録などで構成されています。この中で日々書くのは主に経過記録で、正確かつスピーディーに書くにはいくつかのポイントがあります。

まず、誤解を防ぐために、造語や略語など現場特有の表現は使わないようにしましょう。また、誰が見てもすぐに状況を理解できるように、口頭指示やカンファレンスの内容を併せて記載することも重要です。これらを踏まえたうえで、患者の問題を解決するために医療を行う、POSの視点を意識して作成していきます。記録方法には、SOAP形式とDAR形式もしくは経時記録形式があり、患者の状態などよって適した形式を選択することが大切です。どの記録方法でも、いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように、を意識して書くことが、わかりやすい看護記録のポイントとなります。そして、患者の状況が正確に伝わるよう、行った処置や数値、そのほかの出来事などの報告事項を具体的に書きましょう。